院長からのごあいさつ

私は長年精神科医療にたずさわって来ました。
その中で、近代医学的な診察・検査を受け身体的な異常は見出されなかったものの、心身の不調を抱えて苦しんでおられる方々に沢山お会いしてきました。
長く近代医学的な治療のみを行なって来ましたが、向精神薬を主体とする治療でよくなられた方も沢山おられた一方で、なかなかよくなられない方もおられました。

漢方医学との出会い

漢方医学には医師になって間もない頃に出会い、平成19年から漢方診療で広く知られている横浜のベイサイドクリニックで本格的に取り組むようになりました。

平成23年からは、統合医療を提供する西鎌倉の柳川クリニックでも漢方心療内科外来を担当させていただいたため、漢方薬を用いて精神科・心療内科領域の患者さんの治療を行う機会を多く得ました。

漢方医学は、近代医学的な検査がなかった昔に出来上がった医学ですので、検査に頼らず患者さんの訴えと医師の五感を駆使した診察により、その患者さんに最適な漢方薬を選びます。

検査で身体的な異常が見出されなくても苦痛な症状があるという患者さんに対して、症状さえあれば治療薬を選べるという利点があります。

この点で漢方医学は、精神科・心療内科領域の患者さんのお役に立ちやすいのではないかと考えています。

過敏性腸症候群やパニック障害、不安障害、抑うつ状態といった精神科・心療内科領域の患者さんだけでなく、慢性胃炎や胃食道逆流症、アトピー性皮膚炎、じんま疹、にきび、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、月経不順、月経困難症、月経前症候群、更年期障害、不妊症、冷え症、虚弱体質、便秘症、神経痛、過活動膀胱、むくみ、めまい症などいろいろな疾患の患者さんを診療してきました。

診療に漢方薬を用いるようになって、近代医学の薬だけではよくならなかった方がよくなるという経験も随分いたしました。

病気を治したいと思うその理由

ところで、そもそも人はなぜ病気を治したいと思うのでしょうか。
私は医師になって以来、ずっとそのことを考えてきました。
人は「何らかの苦しみ」があり、それが「ある病気のせいで生じている」とわかり、「その病気が治れば苦しみから解放される」と知った時、「その病気を治したい」と思うのではないでしょうか。

その「苦しみ」には、「痛みや吐き気」などだけでなく、「今は症状がないけれど将来苦しい症状が出たり、死んだりする可能性もある」といった不安や、「不安や憂うつな気分、だるさ、やる気が出ないなどのために日常生活に支障が出る」といったことも入るでしょう。

私は、「その人の生活の質(=QOL:Qality Of Life)を低下させるもの」が、「その人にとっての苦しみ」だと考えます。

医学が進歩し、病気による多くの苦しみは、病気を治すことによってなくせるようになりました。

しかし、「症状はあっても原因となる病気が見つからないため治療法がない」、「原因となる病気の治療法がない」、「標準的な治療を受けたのに症状が取れない」、「病気の治療でさらに生活の質が低下した」といったことで苦しんでいる方もまだまだおられるように感じます。

生活の質と気分の密接な関係

見た目は本当の薬と同じでも薬理作用のないもの(=プラセボ)を飲んでも病気がよくなることがある、というプラセボ効果が未だに解明されていないことからも、私は医学というものは依然として奥が深いものだと感じています。

一方で、切り傷や風邪が自然に治るのを見ても、人間の体に自己治癒力が備わっていることは間違いのないことだと思います。

プラセボ効果は何らかのメカニズムで、この自己治癒力が高まったために生じるのではないか、と考えています。

「不安で、絶望し、何かが足りなくて不満な、いらいらした悪い気分 を感じる(=feel bad)」ことより、「安心し、希望を持ち、満たされ感謝した、穏やかな良い気分を感じる(=feel good)」ことを好む人が多いと思いますが、精神神経免疫学における研究からは、控えめに言っても「悪い気分でいるよりは良い気分でいる方が自己治癒力が高まる可能性がある」とは言えるようです。

また、生活の質が向上すれば、良い気分を感じるでしょうし、良い気分を感じれば、生活の質も向上するというように、両者は密接な関係にあると考えます。

精神科医としての経験に漢方医学を生かして

以上のような考えから、私は、患者さんの自己治癒力が高まるように援助する医療を目指し、そのために生活の質の向上と良い気分を感じることを大切にしたいと考えています。

希望を持つことは、少なくともマイナスにはなりません。

漢方医学はそのような医療を行う上で大きな力となってくれると思います。

なぜなら、漢方医学には、漢方薬によって過剰なものは除き、不足しているものは補うことで体の調和を取り戻し、この自己治癒力を活性化させて病気を治すことを目指すという考え方があるからです。

専門家との対話を通して、気持ちの転換をはかったり、自己肯定感を高めるといったこと(=広い意味での精神療法)も有用と考えます。

当クリニックでは適切かつ十分な診療が困難と判断される時は、他の適切な医療機関にご紹介もいたします。


私は精神科医としての経験に漢方医学を生かして、以上のような考えにもとづく医療を行いたいと考え、藤沢メンタル・漢方クリニックを開院いたしました。

この地域の皆様の「体調と気分の良い快適な生活」のためにお役に立ちたいと考えております。
どうぞよろしくお願いいたします。


藤沢メンタル・漢方クリニック 院長 手塚 健太郎

院長紹介

略歴

  • 昭和40年東京都に生まれる
  • 平成元年千葉大学医学部卒業
  • 順天堂大学医学部附属順天堂医院にて臨床研修、同大学医学部精神医学講座入局、研修先の病院長の勧めで漢方医学に出会う
  • 大学病院や関連病院での勤務を経て、平成9年より県内の精神科病院に勤務
  • 平成19年よりベイサイドクリニック(横浜)にて、漢方診療全般の研鑽を積み、平成22年日本東洋医学会漢方専門医試験に合格
  • 平成23年より柳川クリニック(西鎌倉)にて、漢方心療内科、地域医療等に従事
  • 平成24年11月6日藤沢メンタル・漢方クリニック開設

資格

  • 精神保健指定医、日本精神神経学会認定精神科専門医・指導医
  • 日本東洋医学会認定漢方専門医

藤沢メンタル・漢方クリニック

〒251-0023神奈川県藤沢市鵠沼花沢町13-9ハナザワビル3階
藤沢駅南口から徒歩5分